ビジネスにおいて「選択と集中」は重要なことです。みんながそう言っています。みんなが言っているということは、みんなできていないということです。なぜでしょうか?
あなたがある部署のリーダーになったとします。部署には10のプロジェクトがあります。各プロジェクトには5名程度の人員がいます。あなたはプロジェクトの数を減らせるでしょうか? 少し想像してみましょう。
たいていのプロジェクトには成功するまでの計画があります。当然、成功するための計画なので、成功して利益を出すことがゴールになっています。つまり計画だけ見ていると、どのプロジェクトも成功してしまうので、「選択と集中」はできません。
プロジェクトには往々にして「やってみないと分からないこと」があります。どんなプロジェクトも予想外のトラブルで失敗することが起こり得ます。ですが、「このプロジェクトは失敗するかもしれないから、念のため、別のプロジェクトも進めよう」なんて欲張っていると、やっぱり「選択と集中」はできません。
また、プロジェクトに関わっている人々は、プロジェクトを成功させるために、それなりに努力しています。その人々にあなたはプロジェクトの終了を宣告できるでしょうか? 感情論ですが、せっかくの努力を否定するのはつらいことです。
「選択と集中」を実践するのは難しいです。
少し話が変わりますが、日本のサラリーマンは労働生産性が低いと言われています。労働時間が長い割りに、成果が少ないということです。これも「選択と集中」ができていないということだと思います。
上司からは「あれをやれ、これをやれ」なんて仕事がたくさん降ってきます。本当にやるべき仕事に集中しないと、仕事は増える一方です。上司に「その仕事は無駄です」なんて言うのは、なかなか大変です。
「選択と集中」を実践するのは難しいです。
「選択と集中」ができないというのは、「欲張っていろいろなことに手を出している」ということだと思います。欲張って戦力を分散させていると、高確率で失敗します。
要は、「二兎追うものは一兎も追えず」ということです。
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