ところで、神戸製鋼というと、私は城山三郎の小説「鼠―鈴木商店焼打ち事件」を思い出します。
鈴木商店は、神戸製鋼や帝人といった大企業の母体となった戦前の商社です。小説では、米騒動や財閥間の争いといった激動の時代の中での、鈴木商店の栄枯盛衰が描かれています。
城山三郎先生の経済小説は、背景の史実が重厚で、非常に面白いです。モデルとなった人々の偉大さに、いつも尊敬の念を抱きます。
歴史ある大企業には偉大な業績があるものだし、その裏での不祥事もそれなりにあるものだと思います。それでも、将来、自分たちが恥ずかしい小説のモデルになってしまわないよう、精進したいものです。