「孫子の兵法」の話の続きです。
私は、守屋先生の孫子の兵法を読んで以来、それが「孫子の兵法」だと思っていました。
最近、ふと別の方の「孫子の兵法」に関する著作を読んで、人によって理解の仕方は違うものだなぁと思いました。
まぁ、当たり前の話ですが。何が重要と考えるかは、人によって違って当然です。
というわけで、私も自分が理解した内容をまとめてみました。
かの曹操も、自ら「孫子の兵法」の注釈書を記したらしいです。読んでみたら、また別の発見があって面白いかもしれません。
「孫子の兵法」の話の続きです。
私は、守屋先生の孫子の兵法を読んで以来、それが「孫子の兵法」だと思っていました。
最近、ふと別の方の「孫子の兵法」に関する著作を読んで、人によって理解の仕方は違うものだなぁと思いました。
まぁ、当たり前の話ですが。何が重要と考えるかは、人によって違って当然です。
というわけで、私も自分が理解した内容をまとめてみました。
かの曹操も、自ら「孫子の兵法」の注釈書を記したらしいです。読んでみたら、また別の発見があって面白いかもしれません。
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一般に、物事の終結というのは難しいものです。名君が後継の育成に失敗するという逸話はよくあります。株なんかも、勢いがあって儲かっているときはいいですが、そこからの引き際は非常に難しいと聞きます。
「孫子の兵法」においては、国家・社会が存続するなら、一つの戦いの終わりは、次への始まりです。つまり準備の段階に戻るだけです。
きちんとした情報収集と情勢判断ができれば、適切な終結も見えてくるはずです。
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「窮寇には迫ることなかれ」「囲師には必ずかき」
追い込まれた敵は必死の抵抗をしてきます。「窮鼠猫を噛む」という言葉の通りです。死にものぐるいの反撃を受けるくらいなら、あえて敵の逃げ道を作った方が得策でしょう。敵を誘導しているなら、主導権はこちらにあります。
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近頃、正論で相手を論破するというのが流行している気がします。
相手を論破するというのは派手な勝利に見えますが、追い込まれた相手が無茶苦茶な反撃をすることも考えられます。相手の逃げ道を用意して誘導するのが、兵法に則った戦略だと思います。
敢えて敵を作る必要はありません。
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古の名将・名君は、一つの勝利に浮かれることなく、先を見越して、次の戦いの準備を進めていたと思います。
「勝って兜の緒を締めよ」ということです。
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「疾きこと風のごとし」
戦いに勝つための行動の基本は、素早く、勢いよくです。
第2次大戦時のドイツの電撃作戦しかり、古今東西の戦争では、素早く、勢いのある戦法が勝利しています。
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「兵は拙速を聞くも、いまだ巧の久しきをみざるなり」
拙速というのは、速くても拙い(まずい)ということです。分かり易くパターンを書き出してみると、
1. 速くて、まずい
2. 速くて、うまい
3. 遅くて、まずい
4. 遅くて、うまい
の4パターンが考えられます (ラーメン屋ではありませんが)。このうち、4.のパターンは基本的にはあり得ません。遅い=時間がかかる、というのは、それだけで消耗しているからです。2.が最良、1が次善であれば、とにかく速く行動することは、望ましいことです。
もちろん、速ければ何でもいいわけではありません。「急いてはことを仕損じる」という言葉もあります。どんなに行動が速くても、内容が良くなければ、やっぱり失敗です。
目指すべきは速くて巧いです。
言い換えるなら、夏休みの宿題は早々に手を付けましょう、ということです。
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「人を致して人に致されず」
後手後手の対策には、スピードもなく、勢いもありません。主導権を取って、先手で行動することが大事です。
事前の準備が整っていれば、必ず先手の行動がとれるはずです。
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「死地に陥れて然る後に生く」
"背水の陣"というのがあります。自軍をあえて危機的な状況に追い込み、兵を死にものぐるいで戦わせる、という戦術です。死にものぐるいなのだから、勢いはあるでしょう。
社員に危機感を煽ろうとする経営者がいたりします。背水の陣のやり方でしょう。がむしゃらに働けば、活路が見いだされるかもしれません。
ただし、常に危機感を煽ってばかりでは、社員が疲弊するだけです。社員が疲弊していたら、勢いが出ません。
また、危機感だけ煽っても、取り組むべき課題が見えていなければ、迷走するだけです。やはり勢いが出ません。これは状況分析が不足しています。
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話はそれますが、兵法書の呉子には、"将軍は手続きを簡素化すべき"、といったことが書かれているそうです。
行動を起こすときに、煩雑な手続きがあると、勢いがそがれてしまいます。「孫子の兵法」と同じ思考だと思います。
・・・お役所の手続きも簡素化して欲しいものです。
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「人をして慮ることを得ざらしむ」
一度行動を起こしたら、その後は深く考えず、勢いに任せて突き進むのがうまいやり方です。
「孫子の兵法」には、"作戦は将軍が考え、兵隊は何も考えないでいい"、とあります。少し悩ましいです。
私が思うに、勢いのある行動は大事なんですが、兵隊は何も考えないでいいわけではないです。将軍が間違っていたら、何も考えないうちに全滅してしまいます。
複雑化した現代社会において、必ずしもリーダーの選択が正しいとは限りません。リーダーの間違いに気づくためには、部下もしっかり考えた方がいいでしょう。
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「彼を知り己れを知れば、百戦してあやうからず」
「孫子の兵法」の戦略の基本は綿密な準備です。事前の情報収集が完璧なら負けることはありません。勝てない可能性はありますが、負けなければ、いつかは勝てます。
完璧な情報を集めることは難しいですが、労力を惜しんではいけません。労力を惜しんで、負けてしまったら、すべてが終わりです。
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「勝ち易きに勝つ」
綿密な調査を行い、勝てる見込みがあるところで戦えば、勝ちは手堅いでしょう。
ハイリスク・ハイリターンという言葉もありますが、国がリスクを冒して滅んでしまっては最悪です。最低でも"負けない見込み"は確保すべきです。
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「兵を形するの極は無形に至る」
「孫子の兵法」には勝つための答えが書いてあるわけではありません。"最強の陣形"があるわけではないのです。
情報を集めて、考えて、状況に応じて臨機応変に変化することが大事です。
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過去の事例を学んで、アイデアをいくつも持っているというのは大切なことです。実績のある方法は参考になります。
ですが、それに従ってばかりではいけません。情勢は常に変化します。過去の事例と同じ状況にはなりません。
考えることを怠ると、馬謖と同じ道を辿ります。
情報を集めて、考えて、状況に応じて臨機応変に変化する、そうすれば負けることはないはずです。
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ちなみに、戦う相手も兵法に習熟していたらどうなるでしょう?
自分と相手の力がほぼ対等で、どちらも十分に情勢を見極められるなら、おそらくは、お互い負けないところに収まるでしょう。
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「兵は国の大事」
兵法とは戦争に勝つための方法ですが、「孫子の兵法」が目的とするところは、単に戦争に勝つことではありません。国家・社会を存続 (繁栄) させることです。
戦争には大きな労力が必要です。負ければ国家・社会の存続を危うくします。だからこそ負けるわけにはいかないんです。負けなければ、いつか勝ちが見えることもあるでしょう。
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戦争は大きな労力を消費するのだから、戦わずに勝てるなら、それが最善です。逆に、戦って消耗して負けるのが最悪です。戦って負けるくらいなら、戦わずに撤退を選ぶべきです。
勝つことを目的と勘違いして、戦いを繰り返し、国家・社会を疲弊させてしまっては、本末転倒です。
目的を正しく見据えないといけません。
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正しい目標を見据えることは、戦争に限らず、とても重要なことです。
目標が間違っていたら、本来望んでいる結果が得られないかもしれません。それでは本末転倒です。正しい目標を設定することは、とても重要です。
(例えば、経済政策の目標として、株価の上昇を掲げるのは、正しい目標でしょうか?数値目標を設定するのは分かり易いですが、よく考える必要があります。)
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どちらも名宰相として知られているのに、目立った成果を残していないとのことです。本当の名宰相であれば、仮に問題が発生したとしても、それが大きくなる前に対処するので、目立った成果にはならないでしょう。目立った成果にならなかったとしても、目的は達成されています。
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評価される成果をアピールするために、何かしらのイベントを繰り返す。どこぞの政治家がやりそうなことですが、それは兵法の教えとは相容れない感じです。
特に大きな成果はないが大きな問題もなく、時世が変化する中でさえも、安定に繁栄を続けたなら、それは偉大な仕事です。
守屋先生の孫子の兵法を読みました。
昔から何度か読んでいる本です。孫子の兵法に書かれている内容は非常に合理的で、学ぶべきところがあると思います。
というわけで、少し私なりの解釈を書いてみようと思います。