2021年9月5日日曜日

兵法に学ぶ 1 --- 目標について ---

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「兵は国の大事」

 兵法とは戦争に勝つための方法ですが、「孫子の兵法」が目的とするところは、単に戦争に勝つことではありません。国家・社会を存続 (繁栄) させることです。


 戦争には大きな労力が必要です。負ければ国家・社会の存続を危うくします。だからこそ負けるわけにはいかないんです。負けなければ、いつか勝ちが見えることもあるでしょう。


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「百戦百勝は善の善たるものにあらず」

 戦争は大きな労力を消費するのだから、戦わずに勝てるなら、それが最善です。逆に、戦って消耗して負けるのが最悪です。戦って負けるくらいなら、戦わずに撤退を選ぶべきです。


 勝つことを目的と勘違いして、戦いを繰り返し、国家・社会を疲弊させてしまっては、本末転倒です。

 目的を正しく見据えないといけません。


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 正しい目標を見据えることは、戦争に限らず、とても重要なことです。


 目標が間違っていたら、本来望んでいる結果が得られないかもしれません。それでは本末転倒です。正しい目標を設定することは、とても重要です。


 (例えば、経済政策の目標として、株価の上昇を掲げるのは、正しい目標でしょうか?数値目標を設定するのは分かり易いですが、よく考える必要があります。)


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 その昔、房玄齢杜如晦という名宰相がいたそうです。

 どちらも名宰相として知られているのに、目立った成果を残していないとのことです。本当の名宰相であれば、仮に問題が発生したとしても、それが大きくなる前に対処するので、目立った成果にはならないでしょう。目立った成果にならなかったとしても、目的は達成されています。


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 近頃は、成果主義を採用する企業も多いようです。ですが、目立った成果を上げることばかりが評価項目ではないはずです。


 評価される成果をアピールするために、何かしらのイベントを繰り返す。どこぞの政治家がやりそうなことですが、それは兵法の教えとは相容れない感じです。


 特に大きな成果はないが大きな問題もなく、時世が変化する中でさえも、安定に繁栄を続けたなら、それは偉大な仕事です。


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