2015年3月29日日曜日

少しロマンチックな数学の話 (その2)

 「微分」 とは変化を解析する数学です。
 例えば1日の気温の変化のデータがあったとします。このとき 「10:00~10:01まで1分間に気温が0.1℃上昇した」 といった変化を考えるのが微分です。
 厳密には、 「1分間」 のところを 「無限に短い時間」 とするのが数学のやり方です。実際には、測定間隔を 「無限に短く」 することはできないので、「考えている問題に対して十分短い時間」 とするのが物理学のやり方です。微分のポイントは、「ある小さい時間 (空間) 内の変化を解析する」 ことです。

 一般に物理学では、自然法則を 「微分が従う数式」 として表現します。小さい時間 (空間) での変化を表す数式が、物理学が教える自然法則です。最終的な自然現象は、小さい時間 (空間) での変化を積み重ねることで得られます。例えば、短い時間の気温の変化を表す数式が自然法則で、それを積み重ねれば、1日の気温の変化が得られます。

 小さい時間 (空間) において、自然にとって都合の良い変化を積み重ねると、最終的な自然現象が得られます。これを人間に応用すると、自分の周囲において、都合の良い行動をするのが 「自然な生き方」 と言えます。
  「10年後のために何をしておこうか?」 とか、 「遠くのAさんはどう考えているだろう?」 とか、自分から離れたことについて悩むことはよくあります。ですが、たまには自然のやり方に従って、自分の周囲の都合だけ考えてみるのも良いかも知れません。私は身近なことだけ考慮することを 「微分的」 と勝手に呼んでます。


 もちろん、今の自分に都合がいいように遊んでばかりいると、キリギリスさんになってしまいます orz

2015年3月22日日曜日

少しロマンチックな数学の話

 数学には「無限」という概念があります。「無限」とは「どんな数よりも大きな数」のことです。

 1,000,000 と無限では、無限の方が大きいです。1,000,000,000 と無限でも、無限の方が大きいです。仮に地球上の原子の総数を数えられたとしても、無限はそれより大きいです。あなたがどんな数を持ってきたとしても、無限はそれより大きいです。無限とは、「ある固定された数字」ではなく、「どんな比較対象よりも大きい」という、動的な概念を意味しています。

 「1, 1, 1, -2, 1, 1, 1, -2, 1, ...」という数列 a_n を考えてみます。この数列の第 n 項までの総和の数列 s_n = a_1 + a_2 + ... + a_nは、n が大きくなるとともに少しずつ増加して、無限大に発散します。数列の項は無限に続くので、少しずつの和でも、s_n はどこまでも大きくなっていきます。「1日1歩、3日で3歩、3歩進んで2歩下がる」という歌がありますが、結果的には、無限に成長していくことになります。努力の積み重ねが大事ということですね (^o^)b

 「永遠の愛」なんてセリフがありますが、これは無限の愛と言ってもいいでしょう。たまにけんかしても、永遠に愛を積み重ねるなら、それは無限になります。大事なのは、積み重ねていくということです。

 まぁ、神様に永遠の愛を誓っても、有限で終わってしまう例も多いみたいですが  orz

財政試算

 インターネットが普及したおかげで、様々な統計データを手軽に利用できるようになりました。気まぐれに、統計データで遊んでみようと思います。

 まず、日本の人口統計を見てみます。日本の総人口は 約1億2700万人 です。そのうち65歳以上の方が 約3200万人、70歳以上の方が 約2300万人 います。ちなみに、20歳未満の方は 約2200万人 です。高齢者が多いのは一目瞭然です。

 70歳以上の方の総数から、年金の総額を推定してみます。70歳以上の方すべてが年間100万円の年金を支給されていたとすると、その総額は 約23兆円 です。70歳以上で年間100万円というのは、かなり適当な値ですが、オーダーはこんなものでしょう。

 次に日本の公務員の人数を見てみます。日本の国家公務員は 約60万人、地方公務員は 約300万人 だそうです。年間300万円の給料だとすると、公務員の給料の総額は 約10兆円 です。もちろん年間300万円の見積もりはかなり少ないでしょうが、オーダーはこんなものでしょう。

 以上を踏まえて、日本の国家予算を見てみます。日本の国家予算は 約100兆円 です。

 国家予算の歳入のうち、税収は 約50兆円、残り 約50兆円 は公債です。毎年、税収と同じくらいの債券を発行しているというのは、素人の私には理解できない事態ですが、日本ではそういう状況が続いています。

 国家予算の歳出のうち 約30兆円 は社会保障です。さきほどの年金の推定値を考えると、社会保障というのはほとんど年金のことなのでしょう。歳出のうち、社会保障に次ぐのは、国債費の約23兆円 です。国債をあれだけ発行しているのだから、その返済が多いのは当然です。歳出には、防衛予算や科学振興、公共事業などなど他にもさまざまなものがあります。1項目あたり3兆円で、10項目あれば 約30兆円 です。この3つを合わせれば、国家予算の歳出のだいたいを占めていそうです。

 なお、公務員の給料は 約10兆円 と推定しましたが、これは歳出の1割くらいのはずです。多いか少ないかは、私には判断できません。政治的な発言はトラブルの元なので控えます。

 多くの方が苦労して作った統計データなのに、雑に扱ってすみません。でも、こういう計算をして、国家予算について考えてみるのも悪くはないのではないでしょうか。




参考:wikipedia人口統計wikipedia公務員財務省

2015年3月8日日曜日

あいまいな表現

 私は、「MATCHBOX TWENTY」の「UNWELL」という曲が大好きです。この曲の歌詞は、次のように始まります。

「All day Staring at the ceiling making Friends with shadows on my wall」

 CDには、次のような日本語訳が書いてありました。

「日がな一日 天井が壁にうつる影と 仲良くするのを見つめて過ごす」

 皆様はこの日本語訳をどう思うでしょうか?


 この日本語訳を英語に戻すと、

「All day, I'm staring at the ceiling. And the ceiling is making friends with shadows on my wall.」

ということです。天井が影を友達にしていたということです。うーん。
(物を擬人化するのは日本人の十八番ですが、海外ではあまり一般的ではなかったはずです。)


 私としては、

「All day, I'm staring at the ceiling. And I'm making friends with shadows on my wall.」

とした方がしっくりきます。一日中、(私が) 影を友達に、天井を見つめていた、ということです。何をするにも気分が乗らず、やる気が起きないときは、こういう感じだと思います。

 この場合、「making」の主語があいまいなので、どちらの日本語訳も正しいはずです。後は歌詞を書いたRob Thomasに聞くしかなさそうです。


 英語にしろ日本語にしろ、あいまいな表現は多々あります。歌詞はあいまいでも問題ないですが、契約書などがあいまいだと大問題です。そういう場合は、あいまいな表現がないか、注意を払う必要があります。

 主語の省略はあいまいさを作ります。「あれ」「これ」「それ」といった代名詞も、あいまいさを作ります。「あれ食べた?」と書かいて意味が分かるのは、会話の中だけです。

 一つの文に修飾語がたくさんあると意味があいまいになりやすいです。例えば、「私は可愛い黒い耳のビーグル犬を飼っています。」と書いてあったとき、「可愛い」のが耳なのかビーグル犬なのかがあいまいになります。

 作文をしていると、文章のあいまいさに気を遣います。読む人が勘違いしないように、意図が伝わるようにするのは簡単ではありません。練習が大切だと思う次第です。


 最後に問題です。以下の英文の正しい日本語訳は(a)(b)どちらでしょうか?
A panda eats shoots and leaves.
(a)パンダは木の芽や葉を食べる
(b)パンダは食べた後、銃を撃ち、去って行く。

2015年3月1日日曜日

ゴッドファザーってすてきだね

2011/7/10に書いたコラムです。

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 少し前になりますが、私の知り合いに子供ができたという話を聞きました。 奥さんが妊娠中で出産はまだでしたが、彼は考えていた子供の名前を教えてくれました。 その時は特に何も感じなかったのですが、しばらくしてからだんだん感動してしまいました。

 きっと彼は、赤ん坊をその名前で呼ぶことを想像していたと思います。 家族や親戚が赤ん坊をその名前で呼ぶことを想像していたと思います。 その子が大きくなって、学校の先生や友達からその名前で呼ばれることを想像していたと思います。 ランドセルにその名前を書いたり、テストの答案にその名前を書いたりすることを想像していたと思います。 その子が大人になって、会社の同僚からその名前で呼ばれることを想像していたと思います。

 名前は一生その人についてくるものです。 自分の子供の一生を思いながら、どんな名前をつけようかと想像している彼の姿を想像すると、 すごく素敵だと思いました。

 彼の子供が健やかに育つことを、心よりお祈りしています。