2013年9月9日月曜日

エウレカ!

 残念ながら私は天才じゃないんで、つまらないことでいろいろ悩んじゃいます。馬鹿ならば悩むこともないのでしょうが、少しばかり頭があるから性質が悪いです。最近は、多変数の積分の変数変換について悩んでました。

 一般に適当な関数fの面積分を変数変換すると、
∫∫ f dx dy=∫∫f J dr dθ
となります。これは直交座標を極座標に変換するときの計算です。ここでヤコビアンJが出てきますが、これがうまく説明できなくて悩んじゃったわけです。

 よくある説明だと、dx dyとdr dθでは面積が違うからヤコビアンがでてくると言われます。確かに積分の計算は面積の計算だからそれで正しいんです。正しいんですが、なんか図形的な説明な感じがします。

 ところで、1次元の変数変換は、
∫f dx = ∫f (dx/dt)dt
です。これは微分の変数変換
dx = (dx/dt)dt
とまったく同じです。図形を使わない、代数的な説明って感じがします。

 1次元と同じことを2次元でやろうとすると、
dx = (dx/dr)dr + (dx/dθ)dθ
dy = (dy/dr)dr + (dy/dθ)dθ
dx dy = [ (dx/dr)dr + (dx/dθ)dθ ][ (dy/dr)dr + (dy/dθ)dθ ]
という感じになります(偏微分の記号が書けないのはご愛嬌)。

 ここからヤコビアンを導こうとすると、微分形式の理論が登場します。グラスマン代数とか外積代数とかいうやつです。つまり
dx^dx=0
もしくは、
dx^dy = - dy^dx
という計算規則です。これを使うとさっきの式は余計な項がうまく消えて、
dx dy = J dr dθ
になります。めでたしめでたし。

 となるはずなんですが、私が悩んだのは、なぜ外積代数が出てくるのか?という点です。
dx^dx=0
となるなら、
∫∫f dx dx = 0
となってxで二回積分すると必ずゼロになってしまいます。んなバカな。ではdx^dx=0ってどういう意味なの?ということに悩んでしまったわけです。

 一週間も考えましたが、答えは単純でした。

 普通、面積分する領域は適当な二次元の領域です。なので、
∫∫f dx dx
のようにdxで二回積分すると、二回目のx方向の積分する領域がないので、積分がゼロになります。
∫∫f dx dx = 0
積分する領域が2次元の領域だから、同じ方向に二回積分できないということです。これがdx^dx=0の意味です。もちろんx方向に二回目の積分領域が存在すれば、積分はゼロになりません。

 またdx^dy = - dy^dxというのは面積に符号があるということです。一次元の積分でも積分する向きを変えれば、符号が変わります。
∫f dx (x = a to b) = - ∫f dx (x = b to a)
二次元でも同様で、積分の方向で符号がつくわけです。高校レベルの数学では、
∫∫f dx dy=∫∫f dy dx
みたいな計算をしちゃいますが、これには注意が必要です。
左辺と右辺で積分する範囲が変わっていないなら、
∫∫f dx dy = - ∫∫f dy dx
が正解です。積分する領域とその方向まで考えないといけません。



 私は昔っからこうやって悩んじゃっています。たぶん私は考えることが好きなんです。答えを知っている人からすれば当たり前のことだと思うんで恥ずかしい限りですが、答えにたどり着くとすごくすっきりします。まさにアルキメデスがエウレカっ!と叫んだ気持ちです。



・・・たぶん、こんなことを考えている人はあんまりいないんだろうなぁ。


2013年7月22日月曜日

不確定性原理

 先日、小澤の不等式が実験的に確認されたというニュースがありました。これまでの不確定性原理は不正確で、ハイゼンベルグの不等式に修正が入るとのことです。

 このコラムを書いているときに、ハイゼンベルグと入力したら「配膳ベル具」と変換されたくらいなので、たぶん一般の方には縁のない話題なんだろうと思います。でも、量子力学を学んだことがある人にとっては、インパクトが大きいニュースです。

 例えるなら、ニュートンの運動方程式がアインシュタインによって修正されたとか、アインシュタインの方程式の宇宙項が実は必要なかったとかに次ぐくらいのインパクトです。この例えが分かる人も限られていますが・・・。日本史で例えるなら、源頼朝の肖像画が、実は違う人物だったくらいのインパクトでしょうか?

 恥ずかしながら理論の詳細までは知らないのですが、従来の不確定性原理に量子揺らぎの効果を正しく組み込んだという内容らしいです。100年近く信じられていた理論に修正が入るというのは、少なからず感動します。

 小澤先生と研究グループの方々に敬意を表したいと思います。

技術を語ろう

 まったくもって私見ではありますが、世の中の人は、既存の技術に満足してしまっている傾向があるように思います。

 身の回りには、生活を便利にしてくれる技術が多数ありますが、その中身は複雑で難しいものばかりです。「技術の中身は分からないけど、便利に使えるからそれでいいや」といったぐあいに、現状に満足してしまうのも仕方ないかもしれません。

 でも、技術の中身をよく見てみると、実はまだまだ改良の余地が残っていたりするものです。というわけで、今回は勝手ながらいろいろな技術について語りたいと思います。
(・・・そういう話が好きなんです。)


 余談ですが、最近の宣伝は、「さらに便利に」というフレーズがよく使われている気がします。いかにも新技術を搭載しているようで、その実、さして面白味のない技術だったり。購買者の注意を引こうとしているのは分かりますが、人をだまそうとしている感じがして残念ですね。


閑話休題


~~~ メモリの話 ~~~
 IT技術の要であるコンピュータは、基本的には演算素子と記憶素子(メモリ)で構成されます。メモリには様々な種類があります。動作が速いDRAM、容量の大きいハードディスク、その中間くらいのフラッシュメモリなどです。

 ここで注目したいのはDRAMです。DRAMは動作が速いので、普通のコンピュータなら間違いなく使っています。DRAMの原理はコンデンサと同じで、電荷が貯まっているかどうかで記憶を行います。貯めている電荷は自然に失われていくので、DRAMを使うときは、定期的に電流を流して電荷を貯めなおす必要があります。これをリフレッシュと言います。

 DRAMのリフレッシュ動作は、できればなくしたい動作です。リフレッシュの必要がなければ動作は簡単になり、省エネになります。

 そこで期待されているのが新しいメモリです。現在開発が進められている新しいメモリには、MRAM, ReRAM, PRAMといったものがあります。残念ながらDRAMの性能を上回るものはまだありません。ですが、DRAMの代替になるものが現れれば、それは大きなブレークスルーになります。

 例えば、計算速度が必要ない分野なんかで、DRAMをMRAMに置き換えた方が、消費電力の観点で得をする、なんてことがあるかもしれません。いろいろと想像が膨らみます。

 私は新しいメモリの登場に非常に期待しています。

~~~ パワー半導体の話 ~~~
 少し前から登場しているSiC、GaNといったパワー半導体も興味深い技術です。たぶん全然知らないという人も多いだろうと思いますが、パワー半導体は今後様々なところで活躍することになると思います。

 これまでの半導体は、コンピュータのように電圧の低い領域で主に使われていました。電圧の高い領域で使うSiの半導体もあるのですが、それらは発熱が大きいとのことです。SiCやGaNというのは高い電圧でも使えて、さらに省エネになる新しい半導体材料のことです。

 パワー半導体を使うと高い電圧を細かくオンオフできるので、より効率的な制御ができるようになります。自動車やエアコンなどのインバータに使われ始めているとのことなので、数年後には、知らずに身近なものになっているかもしれません。

~~~ 3Dプリンタの話 ~~~
 最近話題の3Dプリンタも面白い技術です。任意の3次元形状を簡単に作れるので、フィギュアの型なんかを作っていると聞きます。部品の試作なんかでも有用とのことです。

 3Dプリンタを使うには、3次元CADが使えないといけません。3次元CADを使いこなすのは意外と難しいです。3Dプリンタが普及すると、3次元CADも普及していくと思います。

 3次元CADを勉強しなきゃと思う日々です。

~~~ 自動車の話 ~~~
 日本の産業の代表格と言えば自動車です。ハイブリッドカーが登場して久しいですが、燃費の向上は自動車の最重要課題です。最近では電気自動車も公道を走っていたりします。燃費の改善は今後も続いていくことでしょう。

 燃費以外にも、障害物の自動検知とか、さらには自動運転といった技術も開発されつつあります。車が自動的に動くとなると、交通事故の責任は乗っている人にあるのかメーカーにあるのか、という法律の問題が出てきますが、そういうことも含めて、興味深い話だと思います。

~~~ スマートグリッドの話 ~~~
 地球温暖化や資源の枯渇の話から、エネルギー関連の技術にも注目が集まっています。原発事故があってから、自然エネルギーの利用が大きく取り上げられるようになりました。太陽電池や風力、水力、波力、地熱などなどです。スマートグリッドとは、そういった様々な形態で発電されたエネルギーを組み合わせて利用するための技術です。

 化石燃料への依存を減らすにはどうすればいいか?どういう発電を組み合わせるのか?例えば小型の水力発電を開発するとして、どこに設置してどのように利用するのか?いろいろと想像が膨らみます。



 以上、適当に書いてみましたが、文章が下手なために、雑な内容になってしまいました。気になる点がある方は、とりあえずWikipediaあたりで調べてみてください。

 メジャーなところを書きましたが、技術の話はいたるところに、いくらでもあります。自動車、コンピュータ、電力、衣服、食品、住居。どんなものでも、それを作っている人がいて、それを作るための技術があります。そして、それらの技術を改良する余地がいくらでもあります。省エネ、低価格、高効率、低環境負荷のための技術の改良には際限がありません。

 書いてみて改めて思うのですが、技術の話は本当に奥が深いです。「この技術は従来のものとどう違うのか?どのように利用されるのか?」というように疑問がつきません。技術の話は確かに難しいのですが、難しいからと避けることなく、多くの人が技術の話に興味を持ってくれたらと思う次第です。

 技術の発展は社会を変える力を持っています。そして、そういう技術が経済に活力を与えると思います。技術者を目指す若い方々には、現状に満足せず、よりよいものをという向上心を持ってもらいたいと思います。
(なんか年寄くさい・・・)


2013年2月11日月曜日

オブジェクティブ指向


 オブジェクティブ指向とは、ソフトウェア開発のオブジェクト指向という言葉をもじった私の造語です。要は目標を持って行動しようということです。

 目標は具体的でイエス、ノーで判断できるものでなければなりません。例えば「**大学に合格する」とか、「**の資格を取得する」とかです。「景気を回復する」なんていう目標はダメです。どうすれば達成されたかの判断基準が不明確だからです。

 私の経験上、具体的な目標が決まると効率良く行動できます。例として、「**大学に合格する」という目標を立てたとします。たいていの試験では、過去問を8割くらい正答できれば合格できるでしょう。そうすると過去問をどのくらい勉強すれば良いかが決まります。自分の苦手な科目があれば、その科目の参考書を1冊勉強するという小目標も付け加えます。このように大目標から小目標に細分化して、一つずつ攻略していけば、効率良く目標を達成できるはずです。まぁ失敗することもあると思いますが。

 ちなみに、男性は一点集中を得意としているので、こういうやり方が効果的です。

 やりたいこと、やらなければいけないことが沢山あってどうしていいか分からない、そんな時は、具体的な目標を決めて、それを目指した行動計画を考えると良いと思います。これがオブジェクティブ指向です。

経済成長


 ここ数年、政治家は景気回復を目指すことを声高に叫んでいますが、そもそも景気回復とはどういうことでしょうか? これもまた政治家がよく言う、持続的な成長とはどういうことでしょうか?

 株価が上昇することでしょうか? (どこぞの大臣が言っているように)
 GDPが上昇することでしょうか?
 インフレ(通貨供給量の増大)となることでしょうか?

 私は、株価やGDPといった経済指標の上昇は、本質でないと思っています。極論すれば、これらの経済指標は人為的に操作できます。「明日から、1円を2円にします」とすれば、株価もGDPもすべて倍になります。中身は全く変わらなくとも。

 またGDPは人口に左右されます。GDPの成長のために人口増加を狙うのは、間違いではありません。でも地球に住める人口は、際限なく増える訳にはいきません。人口増加には限度があります。人口増加 → GDPが上昇 → 景気回復という図式はいつか破たんします。

 株価やGDPは経済を評価する指標として有効ですが、絶対ではありません。トヨタより株価が低くても、その会社が悪い会社というわけではないはずです。人口が少なくても、社会が貧しいというわけではないはずです。

 私は、経済成長と「株価やGDPの上昇」を同義として考えるのは間違っていると思います。安易に「株価やGDPの上昇」を目指すのではなく、目指すべき豊かな社会とは何かを、きちんと考え直した方が良いと思います。

(そんなのんきなことを言っていると、中国、韓国に負けてしまうと言われてしまいそうですが。)

人口減少社会とGDP


 以前のコラムに書いた「規模の経済」についてのさらなるお話です。

 基本的に会社や国家の生産量は規模に比例するものです。規模が増えれば生産量は上がり、規模が減れば生産量は下がります。社員の多い会社ほど、国民の多い国家ほど、生産量は大きいはずです。

 例えばの話、ある国家がそっくりそのまま2倍になったとします。人口も国土も2倍です。そうすると中身は全く同じ国家ですが、生産量は2倍になっているはずです。物理の言葉で言うと、生産量は示量変数です。

 もちろん、生産量を決める要因は規模だけではありませんが、規模は生産量を決める重要な要素です。

 ところで、これからの日本は人口減少社会になると言われています。少子高齢化が続けば、当然、人口減少に帰結します。人口が減少するということは、生産量も減少するはずです。国家の生産量をGDPで測るなら、将来、日本は人口が減少してGDPが減少する、と予測されます。

 GDPの成長が国家の発展であるとするなら、これからは国家の発展は難しくなると言えます。もしかしたら、「一人当たりのGDP」を基準に国家の発展を考えた方が良いのかもしれません。


2013年1月14日月曜日

あなたが思っている以上に、あなたは・・・


 今回は私のお気に入りのロックバンド、Matchbox Twentyについてです。

 Matchbox Twentyはアメリカのロックバンドです。私が洋楽を聞き始めた頃に知ったバンドで、その頃からずっと私のお気に入りです。

 私が最初に聞いたのは"Disease"という曲でした。この曲は出だしに音が途切れる間があって、そこから激しくなっていく感じが印象的でした。洋楽のロックを聞き始めて間もなかった私には、そういうロックは斬新でした。

 次に聞いた曲は"Unwell"です。この曲はBillboard Adult Top 40 Chartで20週間 1位だった曲です。最初、私はこの曲を好きだとは思いませんでした。イントロがバンジョーで始まるロックで、少し変わっているくらいにしか思っていませんでした。それが何度も聞いていると、だんだん好きになりました。未だに何がいいのか、よく分からないのですが、とにかくいいんです。何か他の曲にない魅力を持っているんです。歌詞の英語も簡単で、「今はちょっと調子が悪いだけなんだ。もうすぐ違う自分になっているはずさ。」という歌詞に、私は何度も元気づけられました。

 Matchbox Twentyの曲はバラエティが豊富です。たいていのアーティストは似たような曲があるものですが、Matchbox Twentyは、一曲一曲に創意工夫があふれています。私は、作り手の気持ちが伝わってくる、そういった創意工夫が大好きです。

 "Disease"と"Unwell"は"More Than You Think You Are"というアルバムに入っています。このタイトルもセンスがいいと思います。自分では気づいていない自分の一面、それを誰かに告げられている感じがします。

 ちなみにですが、ボーカルのRob ThomasはSantanaと"Smooth"を歌った人です。これも大ヒットした、素晴らしい曲です。

 他にも"If You're Gone"、"Bent"など素敵な曲がたくさんあります。興味を持った方は、まずはGoogleで"Unwell"と検索してみてください。

複雑性を回避するには (2011/11/12)

2011/11/12に書いたコラムです。

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 世の中には複雑な問題があふれています。解決したいけど、問題が複雑で、どうすればいいのか分からないということは良くあります。今回のコラムはそういう時の一般的な対処方法についてです。

 複雑な問題の特徴は、それを構成する要素が多いことです。ある要素を動かすと、別の要素に影響してこんがらがってきます。簡単な2択の問題でも、10問あれば1024通りの組み合わせになります。考えるべきパターンがたくさんあることが問題を複雑にしている元凶です。

 複雑な問題への一般的な対処方法は、(1) 問題の構造の把握、(2) 要素数の削減、です。

 まず問題が分からなければ、解答は決して分かりません。問題を正しく把握すればするほど、良い解決策にたどり着けます。まずは問題を構成する要素をリストアップするのが良いでしょう。
 リストアップできたら、次はそれをグルーピングしてみるといいと思います。何が難しいのか、何をどうすれば解決したことになるのか、といったことも考えておくと良いです。

 問題を構成する要素が分かったら、次はそれを減らします。要素数を減らすことは問題を劇的に簡単にします。問題の重要なとこだけ取り出して、重要でないとこは無視します。これは物理の世界で言う近似の考え方です。

 問題の本質を理解し、それを構成する要素を減らして簡単化できたら、解決策はずっと見つかりやすくなります。残念ながら問題を必ず解決できる保証はありませんが、複雑な問題をそのまま扱うよりはマシな結果になるはずです。

 簡単な例として、候補者10名の中から代表3名を選ぶ問題を考えます。10人から3人を選ぶ組み合わせは120通りです。このすべての組み合わせを比較検討するのは大変です。そこでまず1人目を確定させます。そうすると残りの組み合わせは36通りです。84通りは考えずに済みます。1人目の決め方は、考えている問題のもっとも重要なファクターを基準にします。同じ要領で、2人目を決めてしまえば、残り1人は8通りしかありません。1人目と相性の悪い人を入れないといった条件があれば、組み合わせはさらに減ります。こうなると問題解決は簡単です。要素数を減らすということが、問題を簡単化するキーになっているわけです。

 世の中にはKJ法とかタグチメソッドとかありますが、基本的には同じことを言っているのだと思います。カードに書き出そうが、魚の骨を書こうが本質は同じです (そう思っているせいか、私はこういう方法論を勉強してません。ごめんなさい。)。

食べてる時間が幸せなんです (2011/6/12)



2011/6/12に書いたコラムです。

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 私は食べるのが遅いです。普通の人と食事時間を比べると、1.5倍くらいはかかります。待たせると悪いと思って慌てるので、人と一緒に食事するのは苦手です。

 食べるのが遅い原因は噛む回数が多いからみたいです。人に言われるまで気がつかなかったのですが、他の人に言わせるとそうらしいです。子供のころに言われませんでしたか? よく噛んで食べなさいと。素直(?)な私は、いつの間にかよく噛むくせが身についたみたいです。

 よく噛んで食べるのはいいことです。よく噛むことは消化の助けになります。唾液の消化酵素とよく混ぜ合わせるのだから当然です。私は内臓が弱いらしく、噛まずに食べるとおなかの具合が悪くなります。

 よく噛むということは味わって食べるということにもつながります。どういう食材でどんな調味料を使っているか、そんなことを考えていると食事は楽しくなります。急いで食べるなんてもったいないです。

 よく噛むと満腹中枢が刺激されます。食べすぎ防止になるので、ダイエットに効果的です。ダイエットしたければ、まずはよく噛んで食べましょう。巷のダイエット方法よりよっぽどお手軽です。

 さらに、よく噛むということは脳を活性化させます。噛んでいるとこめかみが動くのが分かります。米を噛むから"こめかみ"なんです。こめかみが動くと血行が促進され脳が活性化します。数学の問題に行き詰っていても、食事中に解答を思いつくかも知れません。ガムを噛みながらバッターボックスに立つ野球選手がいますが、これも咀嚼によって集中力が増すからです。

 だいたい世の中の人は食べるのが早すぎです。よく噛んで食べるのはいいことずくめなんだから、もっと推奨すべきです。というわけで、私が食べるのが遅いからって白い目で見ないでください。


 ちなみに中島みゆきさんも食べるのが遅いらしいです。昔、お時間拝借というラジオで言っていた気がします。「いーもんねー。みゆきさんと一緒だもんねー」

ウォシュレットの話


 最近のウォシュレットってすごいですね。

 先日、改装されたばかりの近所の図書館に行ったんですが、そこのトイレでびっくりしてしまいました。最新鋭らしきウォシュレットが完備されていて、水を出す・止める、上下左右に動かす、水圧を変えるなどなど、ボタンが10個以上ありました。

 最近の人はこういうのを使いこなすんでしょうか? 昭和人の私には難しくて使いこなせそうにありません。説明書が置いてあると、トイレの中で読むのにちょうどいいんですが。

 私が子供の頃はウォシュレットなんてありませんでした。時代は進化しているとみるべきなのでしょうか? たかがウォシュレットのために、自分が時代に取り残されているような気になってしまいます。

 ところで、このウォシュレットっていくらくらいするんでしょうか? 図書館は税金で運営されているわけで、ということはこのウォシュレットも税金で支払われているわけです。これって必要なのでしょうか? もしかしたら、バリアフリーとか資源とかの観点で有用なのかもしれませんが、私には疑問です。

 ある産業にみんながお金を払えばその産業は発展します。税金がウォシュレットに投入されることで、ウォシュレットはさらに進化するわけです。私が払った税金はウォシュレットの進化のために使われているんですね。別に皮肉を言っているわけではないです。私にはこれが良いことなのか、悪いことなのか分かりません。

 たかがウォシュレットで、考え過ぎかな。

もしも1億円あったら


 もしあなたが1億円を使えるとしたら何に使うでしょうか?

 私の場合、古くなった実家を建て替えたいです。夢がなくて申し訳ない。

 1億円の買い物はなかなか難しいです。クルーザーとかフェラーリとかでしょうか。100万円くらいなら、ブランドものを買ったり、旅行したりすれば、使いきれます。でも1億円となると使い切るのは大変です。宝くじ当たった人はどうやって使うんでしょう? 幾らかは親族に渡して、幾らかは寄付して、贈与税はどうして、などと妄想してみるのもたまにはいいものです。どうせ妄想なんだし。


 では、もしあなたが1億円の借金をしていたらどうやって返すでしょうか?

 年収500万円として、毎年300万円を返済に充てても、完済には30年以上かかります。しかも借金の場合、金利も返さないといけません。年利率1%としても、毎年100万円近くです。そもそも1億円は借りるのも大変です。銀行は返せる見込みのない人には貸してくれません。ということは普通はこんな借金をすることはないはずです。

 1億円なんて私のような庶民にはあまり縁のない世界ですが、年末ジャンボ宝くじが売られているのを横目に、そんな妄想をしてみるのもたまにはいいなじゃいでしょうか?