2021年9月5日日曜日

兵法に学ぶ 4 --- 終わり方 ---

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 一般に、物事の終結というのは難しいものです。名君が後継の育成に失敗するという逸話はよくあります。株なんかも、勢いがあって儲かっているときはいいですが、そこからの引き際は非常に難しいと聞きます。


 「孫子の兵法」においては、国家・社会が存続するなら、一つの戦いの終わりは、次への始まりです。つまり準備の段階に戻るだけです。

 きちんとした情報収集と情勢判断ができれば、適切な終結も見えてくるはずです。


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「窮寇には迫ることなかれ」「囲師には必ずかき」

 追い込まれた敵は必死の抵抗をしてきます。「窮鼠猫を噛む」という言葉の通りです。死にものぐるいの反撃を受けるくらいなら、あえて敵の逃げ道を作った方が得策でしょう。敵を誘導しているなら、主導権はこちらにあります。


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 近頃、正論で相手を論破するというのが流行している気がします。

 相手を論破するというのは派手な勝利に見えますが、追い込まれた相手が無茶苦茶な反撃をすることも考えられます。相手の逃げ道を用意して誘導するのが、兵法に則った戦略だと思います。

 敢えて敵を作る必要はありません。


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 古の名将・名君は、一つの勝利に浮かれることなく、先を見越して、次の戦いの準備を進めていたと思います。

 「勝って兜の緒を締めよ」ということです。


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