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「疾きこと風のごとし」
戦いに勝つための行動の基本は、素早く、勢いよくです。
第2次大戦時のドイツの電撃作戦しかり、古今東西の戦争では、素早く、勢いのある戦法が勝利しています。
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「兵は拙速を聞くも、いまだ巧の久しきをみざるなり」
拙速というのは、速くても拙い(まずい)ということです。分かり易くパターンを書き出してみると、
1. 速くて、まずい
2. 速くて、うまい
3. 遅くて、まずい
4. 遅くて、うまい
の4パターンが考えられます (ラーメン屋ではありませんが)。このうち、4.のパターンは基本的にはあり得ません。遅い=時間がかかる、というのは、それだけで消耗しているからです。2.が最良、1が次善であれば、とにかく速く行動することは、望ましいことです。
もちろん、速ければ何でもいいわけではありません。「急いてはことを仕損じる」という言葉もあります。どんなに行動が速くても、内容が良くなければ、やっぱり失敗です。
目指すべきは速くて巧いです。
言い換えるなら、夏休みの宿題は早々に手を付けましょう、ということです。
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「人を致して人に致されず」
後手後手の対策には、スピードもなく、勢いもありません。主導権を取って、先手で行動することが大事です。
事前の準備が整っていれば、必ず先手の行動がとれるはずです。
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「死地に陥れて然る後に生く」
"背水の陣"というのがあります。自軍をあえて危機的な状況に追い込み、兵を死にものぐるいで戦わせる、という戦術です。死にものぐるいなのだから、勢いはあるでしょう。
社員に危機感を煽ろうとする経営者がいたりします。背水の陣のやり方でしょう。がむしゃらに働けば、活路が見いだされるかもしれません。
ただし、常に危機感を煽ってばかりでは、社員が疲弊するだけです。社員が疲弊していたら、勢いが出ません。
また、危機感だけ煽っても、取り組むべき課題が見えていなければ、迷走するだけです。やはり勢いが出ません。これは状況分析が不足しています。
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話はそれますが、兵法書の呉子には、"将軍は手続きを簡素化すべき"、といったことが書かれているそうです。
行動を起こすときに、煩雑な手続きがあると、勢いがそがれてしまいます。「孫子の兵法」と同じ思考だと思います。
・・・お役所の手続きも簡素化して欲しいものです。
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「人をして慮ることを得ざらしむ」
一度行動を起こしたら、その後は深く考えず、勢いに任せて突き進むのがうまいやり方です。
「孫子の兵法」には、"作戦は将軍が考え、兵隊は何も考えないでいい"、とあります。少し悩ましいです。
私が思うに、勢いのある行動は大事なんですが、兵隊は何も考えないでいいわけではないです。将軍が間違っていたら、何も考えないうちに全滅してしまいます。
複雑化した現代社会において、必ずしもリーダーの選択が正しいとは限りません。リーダーの間違いに気づくためには、部下もしっかり考えた方がいいでしょう。
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