ですが、なんでも数値化して比較すれば良いかというと、そうはいきません。
例えば、学力テストの点数で成績の良し悪しの比較はできますが、その点数が学力のすべてではありません。数学のテストだけでは、英語の学力は分かりません。学力のすべてを評価するには、学力のすべてを網羅したテストが必要です。もちろん、それは非現実的なことです。
要は、正しい「測定」をしないといけないということです。人によって測定値が変わってしまったり、日によって測定値がばらばらというのではダメなんです。
先日、リスクアセスメントの話で、リスクを数値化するというのをやらされました。「事故Aが起きるリスク」と「事故Bが起きるリスク」を数値化して比較しようという話です。この数値は、その場にいる人の主観で勝手に決められたものです。それでは正しい比較はできません。「このリスクは重要度3にすべきか?それとも4にすべきか?」なんてことを延々議論するのは無意味です。
ときどき、正しくない測定で得られた数値を使って議論する人がいますが、そうした議論は、土台の数値が信用できないということで、無駄に終わります。そうした失敗をしないために、常に「測定」の妥当性を考えるべきだと思います。
「まず測定ありき」なんです。
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